2008年10月13日月曜日

9月25日(木) 故人のご冥福をお祈りいたします

木曜日なのでシャーガスの日、と思っていたが事務所に行くとなぜかみんな慌ただしい。どうやら昨日、同僚のお母様が亡くなられたらしくドタバタしていた。急きょ調査は中止になり全員で葬式に参加。教会での式終了後、車に棺を乗せ墓地近くまで移動。墓地の1キロくらい手前から全員で歩いて墓地まで向かう。キリスト教の人が多い国(8割以上)なのでキリスト教式に土葬だった。棺を埋めるところまでを見届けて帰社。キリスト教だろうと仏教だろうと故人の冥福を祈る気持ちに変わりはない。合掌。
ところでこういうことがあると、どうしても宗教の話になる。正直な話をすると、宗教の話はあまり好きではない。なぜならよく知らないから。そして人々は宗教をめぐって戦争をするから。死後の世界があるから大丈夫、だから自爆テロをしても大丈夫となってしまう。自分は仏教徒だと答えるようにしているが、そんなに熱心な宗教とではない、と答えると「じゃ、どの神様を信じてるんだ?」となる。いや、どの神様もあんまり… と答えてもあまり理解ができないらしい。信じていないわけではない。だって自分は仏教徒だけど、仮に聖書が落ちていてそれを踏めるか、と言ったらなんとなく踏めないし。派遣前訓練や技術補完研修(派遣前訓練の前の訓練)でも宗教の話は言われたし、前に外国で生活していたことがあるのでわかってはいるが、やはりなかなか難しい。埋葬の最中に同僚から「日本ではどうやって埋葬するの?」という話になった。焼いて小さい瓶に入れて墓地に入れる、家族全員が入る、という話をしたらなんとなくみんな納得したような顔だった。
墓地に向かう前、事務所で時間があったので同僚と話しているときに、なぜパナマに来たんだ?という話になった。他の国の人々を助けたいのでボランティアをしたい旨をJICAに伝え、試験を受けて受かったらJICAから「パナマに行ってシャーガス病をなくしてこい」と言われたと伝えた。事実、その通りだし。そしたらなぜシャーガス病なんだ?という話に。シャーガス病は、書くと長くなってしまうので端折るが要するに貧困層と言われる人々が罹患する確率が高い病気で、しかも感染すると40%近い確率で死んでしまう(マラリアは1%前後)という恐ろしい病気だが、あまり知られていない。この病気にかかれば当然医療費はかかるし、一家の大黒柱が亡くなってしまったら家族は文字通り路頭に迷うしかない。JICAの目標の一つに貧困の削減という項目があって、その為に来た、と言ったら理解してもらえた。この行のスペイン語は慣れてきた。
終業後、スーパーまで行く道中でおっさんから「チノ!」と言われた。慣れてきたが何回言われても気分が悪い。最近なんとなく気づいたことだが、職業的にいわゆる「負け組」みたいな人が言うことが多いと思った。街中で蔑視を込めて呼ぶ人の社会的な地位は明らかに低い。たぶん、自分より下を見つけたいのだろう。でも人に上も下もないし。教育レベルが低いのだろう、と考えるようにしている。そうすると我慢できる。その日1日は気分が悪いが。

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